2017年09月11日

危険物乙4 基礎的な物理学及び基礎的な化学1 『沸とう』と『沸点』について

【問】沸点の説明として以下のうち正しいものの組み合わせはどれか。

a.蒸気圧<気圧(外圧)となる温度を指す。
b.蒸気圧>気圧(外圧)となる温度を指す。
c.蒸気圧=気圧(外圧)となる温度を指す。
d.沸点は気圧(外圧)が高いほど低くなる。
e.沸点は気圧(外圧)が高いほど高くなる。


①aとd
②aとe
③bとd
④bとe
⑤cとd
⑥cとe







【正解】⑥


【前置き】
今回よりしばらく『基礎的な物理学及び基礎的な化学』の分野について取り上げていきたいと思います。

というのもこの分野が危険物乙4の試験において、意外と落とし穴になるケースが多いからです。

基本的に中学・高校で物理と化学を勉強されている方であればほとんど勉強しなくても満点を取れる分野ではあるのですが、文系や生物を選択されている方々においては、意外と知らない問題が出てきてしまったりするケースがあるようです。

ここで、危険物乙4の試験の構成を思い返していただきたいのですが、『基礎的な物理学及び基礎的な化学』、『危険物に関する法令』、『危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法』の3分野に分類され、それぞれ10問、15問、10問が出題され、全て6割以上で合格となります。

逆にいうとそれぞれ4問、6問、4問以上は落とせないため、『基礎的な物理学及び基礎的な化学』と『危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法』は特に点を落とさない努力が必要となります。

ですので、とにかく広く知識を身につけていただくために、関連する内容をできるだけ盛り込みながら記載いたしますので、流し読みで良いので頭の片隅にインプットするよう心がけてください。


【解説】
それでは前置きが長くなりましたが、内容の解説に入りたいと思います。


まず最初にですが、『沸とう』、『沸点』というものがどのようなものか、イメージできますでしょうか。


『沸とう』は皆さんイメージできると思いますが、やかんに水を入れ火にかけた時、ボコボコと泡立っているのが沸とう現象です。


そして、『沸点』とは沸とうし始める温度を指しますので、水で言えば100℃をとなります。


ちなみにですが、『沸とう』と『蒸発』の違いは液体の内部からも気化するかどうかの違いです。


『沸とう』とはボコボコ泡立つイメージの通り、液体の内部から泡(気体)が発生しています。


これは内部から水蒸気となって液体から出ていくため生じるのですが、『蒸発』は液体の表面からのみ生じる現象であり、ボコボコ泡立つようなことは起こりません。


また、『沸とう』は沸点に達しないと生じませんが、『蒸発』は沸点よりも低い温度でも常に起こっています


蒸発とは、こぼした水を放置するといつの間にか乾いているような現象ですね。



さて、次に話は変わってしまうのですが、気圧というものはイメージできますでしょうか。


簡単にいうと空気は微量ながらに重さを持っているため、あらゆる場所の上面に空気が乗りかかっていることとなります。


これが気圧です。ですので、高いところに行くほど気圧は小さくなります。


そして、この気圧と沸点の関係は皆さんご存知でしょうか。


気圧とは上から空気が乗りかかってくる『押さえつける』力です。


そのため、押さえつける力が強いほど沸とうしにくく、弱いほど沸とうしやすくなります


『蒸気圧』とは、液体が蒸気になろうとする力、つまり上にある水や空気を押しのけようとする力です。


蒸発1.png

そのため、沸とうは、押さえつけようとする力の気圧(外圧)それを押しのけようとする力の蒸気圧がイコールとなった時に生じる現象となります。


当然蒸気圧の方が大きくても沸とうは生じますが、沸点は沸とうし始める温度あるため、イコールとなる温度が沸点となります。


ちなみにですが、純粋な液体は沸とうし始めると液温は蒸発しきるまで温度は沸点のまま一定となります。


これは気体から液体になる場合(凝縮)でも同様であり、固体から液体(融解)、液体から固体(凝固)においても同様に融点(融解が生じ始める温度)で一定となります。


また、純粋な液体と書きましたが、これは2種類以上の液体が混ざる混合液では沸点の温度がそれぞれ異なるため、片側が一定でいようとしても片側の温度が変化しようとするため、温度は一定にはなりません。


さて、長々と書いてしましましたが、以下にまとめます。


【まとめ】

・『沸とう』とは液体内部から気化する現象であり、『蒸発』とは液体の表面からのみ気化する現象である。


・『沸とう』し始める温度を『沸点』と呼ぶ。


・気圧(外圧)=蒸気圧となる温度が『沸点』である。


・気圧が高いほど、『沸点』も高くなる。


・『沸とう』の状態変化中は温度は『沸点』で一定となる。(混合液でないものに限る)


タグ:問題 乙4
posted by yuth at 21:11| Comment(0) | 問題(基礎的な物理・化学) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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